第14回「春風一刀」さんの回

今夜、久が原会館の二階は江戸時代の宿屋の二階になった。

久が原会館二階の埋め尽くす大勢のお客様。120名超え。ここまでの大入りは初めて(お客様、ありがとうございました)。

 

スタッフの緊張が伝わったのか、はたまた、会場の熱気に少々驚いたのか、若干緊張気味の一刀さん。

 

高座に上がって、まずは自己紹介から。亭号の名前、師匠の話を軽く振ってから、一刀さんの定番「一刀だけに…真剣にやらせていただきます」。ここで、客席が湧きました。大きな拍手。

 

「この場所で、お客様にお会いできましたのも、なにかの縁でございますので、まずは縁にまつわるお噺を一席」

 

「たらちめ(垂乳女)」です。

 

改めて思いますのは、古典落語の素晴らしさです。しっかりした芸の持ち主が演ると本当におかしい。

 

若いのに、古風な落ち着いた語り口。この時点でもう味わいがあります。経験を重ねたら、将来どうなるのだろうと頼もしくも感じます。

 

さぁくさくのチンチロリンのポ~リポリ♪ざぁくざくのがんがらがんのバァリバリ♪聞いていて気持ちが良い。心地よい。何よりも、その声。その天性の“鼻濁音”。お客様も気持ちよさそうに笑っていました。

 

鶴女や八五郎が、“はべる”たびに湧く客席なりけり。お焼香の部分で切らずに、恐惶謹言のくだりまで、本寸法でたっぷり。

 

「一般的には『たらちね』ですが、僕が習ったのは垂れる乳の女と書いて『たらちめ』です。言い立てなどが違います」とのこと。

 

続きましては、「まだ二つ目になって三か月だけども、前座から二つ目になれて本当にうれしいです」というマクラから、洒落のわからない無粋な旦那とのやりとりがおかしい「庭蟹」。

 

洒落のわからない頭の固い旦那(頭が固すぎて一周回ってとんちんかん)のことを笑う噺ですから、なんとも落語らしい落語。寄席サイズの短い噺ですが、テンポよく。聞いていたら寄席に行きたくなりました。

 

お仲入りを挟んで、トリネタ。

 

と、そのまえに、冒頭に秘密のひとこと。これはご来場いただいたお客様だけの内緒ごと。

 

「名人は 上手の坂を ひと登り」。一刀さんが、そう口火を切ったとき、お客様の頭の中には左甚五郎ものが浮かんだ事と思います。左甚五郎が登場する落語には「ねずみ」「三井の大黒」「竹の水仙」「叩き蟹」等があります。

 

ちなみに、宿銭のために腕をふるって名品をこしらえる、それが大金を呼ぶというストーリーは「抜け雀」に似てますよね。「抜け雀」に出てくる名人は絵の名人なので甚五郎ではないわけですが。名人・名工を描いた噺、他には「宗珉の滝」や「浜野矩随」がありますね。

 

最初の緊張はどこ吹く風。調子を上げる本来の一刀さん。ぐいぐいとお客様たちを、宿の主人と一文無し(からっけつ)との世界に引き込みます。そこはもはや、久が原会館の二階ではなく、江戸時代の宿屋、旅籠の二階。

 

一刀さんの噺に登場する細川家の交渉役の家来(侍)の名は綿貫権十郎。この辺りで、何師匠から習ったネタのかがわかるのが落語の面白さの一つです。(兄弟子・一之輔さんの「竹の水仙」に出てくる家来の名前も綿貫権十郎ですよね)

 

指二本を示された殿様(細川越中守)が「(提示された竹細工の値段は)二万両か?」と言い放った時には、客席から(二万両だって嘘だろ?!)という反応が。お客様たちが没頭している証拠。嬉しい瞬間。

 

鳴海宿(なるみのしゅく、東海道五十三次の40番目の宿場)で彫って残した「竹の水仙」と言う一席でお開き。

 

将来が本当に楽しみな噺家さんです。ありがとうございました。

 

くがらくスタッフ一同


第14回「春風一刀」さんの回 ご予約受付中!

お陰様で、第14回目を迎えることができました。大田区久が原の地域落語会『くがらく』です(主催:久が原落語友の会 後援:大田区)。今回は、2017年11月に二つ目に昇進したばかりの「春風一刀(はるかぜ・いっとう)」さんをお招きしての開催です。前座時代に初めて聞いて、「二つ目に上がったら、ぜひオファーしたい!」と思い続けて2年。念願かなって、ご出演の運びとなりました。二つ目になりたて?などという侮りは禁物。将来有望な超新星。くがらくの推薦眼を信じて下さい。くがらく史上最も香盤が若い、が、上手い。みなさんの先入観を一刀両断!一刀さん、ご期待下さい。



〔日 付〕 2018 年 02 月 17 日(土)ちなみにですが、この日は、6代目桂文治師匠、3代目柳家小満ん師匠の誕生日です。

〔時 間〕 開場18:30 /開演19:00( 1時間30分ほど。二席⇒お仲入り⇒一席の予定です)

〔出 演〕お招きするのは、11月に二つ目昇進を果たした超フレッシュ、二つ目成りたて、ほっかほかの春風一刀(はるかぜ・いっとう)さんです。5年後、10年後、「俺は(私は)、あの春風一刀の二つ目に上がりたての頃の高座を聞いたことがあるんだぜ(だよ)」と誇れるほどの若き逸材かと信じての今回のオファー。二つ目に成りたての一刀さんの高座を皆さんで見守りつつ、笑って笑って楽しいひとときを。

〔会 場〕 久が原会館 2階(大田区久が原2-7 -17) ※  こちらが会場地図になります

 玄関でスリッパ(備え付け)に履き替えていただき、2階(受付)へお上がりください。

 すべて椅子席です(ムトウユニパック社製「エコ座布団」付き)/冷暖房完備/

 男女別トイレ(1階と2階それぞれに完備)

〔交 通〕 東急池上線 久が原駅 ライラック通り 徒歩12分

  東急バスを使ってもお越しいただけます。次の2つの路線が使えます。

  (1)蒲12系統 蒲田駅~田園調布駅  (2)森04・森05系統 大森操車所~池上駅前・洗足池

  停留所名はともに「久が原出世観音」。バス停から徒歩1~2分です。

〔木戸銭〕 1,500 円(当日、2階の受付にてお支払ください)

〔ご予約・お問合〕 くがらく 090-4824-9243 留守電の際は折り返し、ご連絡差し上げます

 電子メールアドレス : rakugo@miura-re-design.com