柳亭こみち 独占インタビュー(4)

夫との出会い。母として。妻として。愛(※)として。

※愛:こみちさんの本名。

― お子さんは、こみちさんのことを、なんて呼んでるんですか?

 

 お母さんて言います。着物を着てる人を見るとみんな「お母さん」って言っています(笑)。この前、テレビドラマ「仁」の再放送をやっていたんですが、花魁が出てくるたびに「お母さん!お母さん!」って(笑)。

― 息子くんは、こみちさんの高座は見たことはあるんですか?

 

 ないです。職場には基本、連れて行かないですね。いかにも「母さん落語家で売ってます」みたいなのは、個人的に気持ちが悪い(居心地が悪い)んで、避けています(苦笑)。子どもは2歳半です。最近、日本語がわかるようになってきまして。近頃では2日に一回くらい「弟の名前は『牛乳』がいい!『牛乳』がいい」って言っています。愉快な男でしょう。これからネタを提供してくれそうなんで楽しみです。(インタビュー時には、まだ下のお子さんは生まれていませんでした)

― 昇(しょう)さんとは、野球つながりだそうですが。

 

 はい。野球で。私は落語協会の野球部で、主人が漫才協会の野球部で、みんなその当時2007年だったんですけどね。ナイツさんとか、ねずっちさんとか、ダブルコロンさんとか、ロケット団さんとか。みんな今みたいに売れる前で。忙しくはしてましたけど、みんな毎月集まっていました。野方の球場で、毎月試合してて楽しくて楽しくて。私も前座生活の暗黒時代から解き放たれた後だったんで、青空の下で漫才協会のキャッチャーの昇さんがキラキラ輝いて見えて、中学生のようにときめいて、なんだこの人は!と思って(笑)。昇さんばっかり見てたんですよね。昇さんが、例えばネットを越えてボールが転がっちゃえば誠実な男だからバーッと取りに行くんですよ。私も関係ないのに一緒になって付いて行ってボールを探したり。トイレに昇さんが行ったら同じようなタイミングで私もトイレに行ったり。水飲みに行けばついて行って、「おはようございます!」って声をかけたりして。そんな風に一生懸命声かけて、アタックしたんですよね― (遠い目)。

編集部注)こみちさんの旦那さんは、漫才コンビ「宮田陽・昇(みやたよう・しょう)」の昇さん。眼鏡を掛けていない方。ツッコミ担当。

― こみちさんからアタックしたんですか?

 

 はい。一生懸命アタックしました。昇さんも、全く知らない女がモーションかけてくるので、相当面食らったみたいで(笑)。ロケット団の三浦さんに「落語協会のこみちさんが僕に好意があるようなんだけど、この人大丈夫だろうか、どういう人なんだろうか」って相談したらしいんですよね。そこで三浦さんが「いや― あの女やめた方がいいよ、ちょっとお勧めしないな」とか言ってたら、昇さんも敬遠したと思うんですけど、問題があるようなことは伝えなかったようなので(笑)、昇さんも私のアタックを受け入れてくれました。三浦さんも、私が昇さんにアタックした、付き合い始めたなんてことを周囲に言わないでおいてくれたので、誰にも知られず密かにお付き合いしていました。ロケット団・三浦さん様様です。

― 陽昇さんたちの芸は、(好きになる上で)そんなに関係なかったんですね。

 

 芸を見てなくてよかったと思ってます。そうしたら芸人として見ちゃうから。(芸人と、どうにかなっちゃいけない)っていう思いは常に持っていましたからね。芸人さんてことは知っていましたけど、野球場で会ったってことが大きかったですね― 。付き合うようになって折に一度だけ、学校寄席で一緒になったことがあるんですけど、その時も敬語で、「あ、お茶、お煎れします」と。

― 昇さんは家でつっこんだりするんですか?

 

 なんでもつっこみますよ!家にいる時の方が、高座に上がってる時より、面白いと思うんですけどね(笑)。だから、客席にいるお客さんをみんな私だと思ったら?って言ったことがあります(笑)。お客さんだと思ったり、カメラがあると思うとまた違った昇さんが出てきたり、それもいいのかもしれないんですけど。自然体でいる時おもしろい時いっぱいあるんだからもっと伸びるよって言ったことがあります。生意気にも(苦笑)。

― 昇さんと、「こうした方がいいよ」といった芸談義をすることはあるんですか?

 

 高座に上がるときの考え方というか、今日高座に上がったら、ああだった・こうだったっていう話など、その日の話はしますね。テレビを見てても芸人として見るというか、この人芝居はこうだよねってなことをお互い分析しあって喋っています。おもしろいです。ドラマを見るのでも、音楽番組を見るのでも、バラエティーを見るのでも、昇さんと見るのが一番おもしろいです。興味というか好奇心が一番合うからなんでしょうかね。

― 惚れてる感じが伝わってきます。幸せそうな感じが。

 

 本当に、そうだと思います。私、昇さんと結婚できたことが大ヒットでしたね。だいたい、噺家を娶(めと)ろうなんて思わないと思うんですよ。なかなかそういう発想、基本、避けたいじゃないですか。特に、私みたいな面倒くさいタイプの人なんて、やっぱ避けたいと思いますから。

旦那さんが大きく育った。母として、妻として。

― 育児と家事との両立は大変だと思うんですけど、どういう感じでスイッチをオン・オフしてるんですか?

 

 とにかく子どもが家にいる間は稽古ができないんで、それが大変なんですよね。保育園に行ってる間になるべく自分の仕事は済ますようにしています。日曜日やなんかはどうしても子どもが家にいながら、私が仕事で出て行くって感じになっちゃうんですけど。息子もだんだん慣れて、私が着物着てると「お母さんお仕事?いってらっしゃい」とか言うので、さびしがることもありませんね。ただ、時間のやりくりが大変です。どうしても稽古しないと高座には上がれませんから。子どもがいない間に、家事をやって、事務仕事をやって、稽古やって。自分でも、どうやって切り盛りしてんだか…(苦笑)。ひとつ言えるのは、旦那さんが大変育ったと(笑)。子どもが育つ以上に旦那さんが育ったので。とても助かっています。こちらが言わなくても子どもをお風呂に入れてる間に食器洗ってくれたりとか、洗濯機がピピっと鳴ったらカゴ持って干しに行ってくれたりとか。こう言っちゃなんですけど、よくできた旦那さんです。

 


チラシ掲載の文章は、インタビュー記録からの抜粋です。全文は、ここでしか読めません。ぜひ、読んで感じて知ってください。こみちさんの声、そして本音。
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