立川笑二 独占インタビュー(5)

お客さんの感情を揺さぶることができる落語家になりたい。

― 故郷・沖縄への貢献なんてことは考えたり?

 

特には考えていませんが、沖縄で開かれる落語会と言えば、ほとんどが超有名な落語家さんたちの会(木戸銭もそれなり)なので、そうじゃない、映画を観るくらいの料金で、1500円くらいで、毎月落語会を開けたらなぁとは思います。いずれは、ですけど。沖縄は「笑点」もオンエアしてない土地です。娯楽のひとつとして落語をもっと身近に感じてほしいとは思います。

 

沖縄と言えば、昨日、ネタ帳の数を数えていたら、こんなものを見つけました。懐かしい、当時の切り抜きです(上の写真。右側)。小学生のころ、新聞によく投書していたんですよ。掲載されると図書券3000円がもらえて。お小遣い稼ぎに、せっせと投書していました。どんなことを書くと取り上げてもらえるかを計算して書いていましたね(笑)。

 

― その頃から、相手の心理を読む力があったのでしょうね。あ、「先生になりたい」って書いてある切り抜きもありますね。

 

はい。小学校のときは先生になろうと思っていました。次に芸人、そして落語家。いつも、何かしら“なりたい職業”ってのは頭にありました。

 

― 笑二さんは、どんな噺家になりたいと?笑二さんが考える「理想の噺家」とは? 

 

前までは、ただもう、ウケればいい(笑)だけでしたけど、最近思うのは、聞き手の感情を揺さぶることができる噺家になりたいってことですね。私の噺を聞いて、とても怖い気持ちになったり、すごく楽しくなったり、哀しくなったり。聞き手の感情を揺さぶる人になりたいです。

 

― やはりそうですか。笑二版「饅頭怖い」にしても、日経スタイルのコラムにしても、“爆笑王・笑二”とはまた違う、人間の悲哀(ペーソス?)を持っている人だなと思っていました。ブラックな要素も、ちょいちょい垣間見えますしね。ストレートな笑いあり、にやりとする笑いあり。で、ちょっとジンとさせられたり。「笑わせたい」だけでなく、「自分の落語でお客さんを感動させたい(ほろりとさせたい・泣かせたい)」と思っているのですか。

 

んー、どうなんでしょうね。泣かせたい、笑わせたいとは思わないんです。談志でも談笑でも枝雀師匠でも高座でお客さんの感情を揺さぶることをしていると思うんですね。私も、そうなりたい。そうありたい。感情を揺さぶることがしたいんです。笑わせるも、泣かせるも自由自在、変幻自在というか、コントロールというか、それこそが話芸、落語なのかなと。

師匠はいつも明るい表情で登場してきます。私も見習って、常に明るく元気な立川笑二として高座を務めようと。

― 最近は古典のみならず、新作落語も創って演ってらっしゃいます。

 

2作持っているんですが、どちらも落語会のために、必要に迫られて作ったものです。ひとつは、沖縄の落語会用に作る必要があった「仲順大主(ちゅんじゅんうふしゅ※)」、もうひとつはシブラク(※)用に作る必要があった「ずっと見てた(※)」です。自分でできるのかなという不安はありましたが、2作創ってみて、まったく創れないわけではないなとは感じました。一定の手応えは感じています。

 

― 笑二さんが噺家として、もっとも大切にしていることとは?

 

なんでしょう。師匠はいつも明るい表情で登場してきます。そこも見習いたいので、私も常に明るく元気な立川笑二として高座を務めようと思っています。

 

― いつごろ真打に昇進するのでしょうか。また、笑二さんが思う、二つ目と真打の差、境目とは?

 

前座⇒二つ目とは違って、そんな早く真打になりたいとも思わないのです。20歳で入門していますから、それから13年、14年。30代前半で真打になれたら、とは思っています。

 

― 真打になったら、名前を変えたいですか?それとも、ずっと「笑二」のままでいたいですか。

 

笑二という名前は大好きですし、愛着があります。ですが、真打としては少々軽い名前なのかなとも思っています。いまはまだ考えていませんが、多分、変えると思います。師匠も「変えたいなら変えていいよ」とおっしゃってくれていますし。

 

― 将来、弟子は取りたいですか。

 

もし弟子入り志願者が来たらうれしいとは思います。「あなたが好きなんです。弟子にしてください」って人が来たらうれしいですよね。でも、私に何が教えることができるんだろう?とは思います。さらに、談笑が異常に(我々弟子に)やさしいので、逆に、私は弟子に厳しく接してしまう人になるかも知れません。弟子をとっちゃだめなタイプの人になるかもな、とは思います(苦笑)

 

※ 「仲順大主」:ちゅんじゅんうふしゅ。実在の人物(沖縄の昔話)をベースにした創作落語。仲順大主は13世紀頃の琉球の豪族・学者。

 

※ シブラク:渋谷ラクゴ。会場は映画館を改装してつくられた劇場ユーロライブ。初心者も落語ファンも楽しめる落語会。キュレーター(演者選び)はサンキュータツオ(お笑い芸人、日本語学者。漫才コンビ「米粒写経」のツッコミ。オフィス北野所属)

 

※ 「ずっと見てた」:シブラクでネタおろしした当時は「耳たぶいらない」というタイトル。その後、ファンからタイトルを募集し、「ずっと見てた」に決定。酔って昨夜の記憶がない佐藤先輩の行動が次々と明らかになっていくのだが…。


チラシ掲載の文章は、インタビュー記録からの抜粋です。全文は、ここでしか読めません。ぜひ、読んで感じて知ってください。笑二さんの声、そして本音。

立川笑二 独占インタビュー(1) 

立川笑二 独占インタビュー(2)

立川笑二 独占インタビュー(3)

立川笑二 独占インタビュー(4)

 

立川笑二 独占インタビュー(6)

 

プレゼントあり!「くがらクイズ」笑二篇